帯状疱疹ワクチン(Herpes zoster)

概要

水痘は、いわゆる水疱瘡(みずぼうそう)と呼ばれる病気です。10~21日間の潜伏期間のあと、体中に発疹ができます。38℃前後の発熱や倦怠感を伴うこと場合があります。
小児の場合は軽症の場合が多いですが、成人では重症になる場合があります。免疫機能が低下している場合には死亡することもあります。
過去に感染したことが確認できない場合や不明な場合は接種をおすすめします。

また、帯状疱疹は、水痘(水ぼうそう)と同じ、水痘・帯状疱疹ウイルスが原因で起こる疾患です。主に小児期に、水痘に羅患し、治癒したものが、大人になり再活性化し発症すると考えられています。
加齢や疲労などで免疫力が低下したときに発症するため、帯状疱疹患者の約7割が50歳以上となっています。症状としては、体の左右どちらかに、水ぶくれを伴う赤い発疹が帯状に出ます。
強い痛みをともなうことも多く、まれに合併症による障害・後遺症が残ることもあります。

日本では成人の9割以上が、帯状疱疹ウイルスに感染しているといわれているため、50歳以上の方は帯状疱疹ワクチンの接種をおすすめします。

流行地域

世界中で発生しています。

製剤の特性

弱毒生水痘ウイルスをヒト二倍体細で培養増殖させ、得たウイルス浮遊液を精製し、安定剤を加え充填した後、凍結乾燥したものです。

接種スケジュール

免疫が不明、不十分の可能性が高い場合は2回(初回,3ヶ月以上、可能であれば6ヶ月~12ヶ月)

有効性

水痘及び50歳以上の方の帯状疱疹の予防に効果があります。

ワクチンの接種により発病率を下げたり、軽症化できます。
また、同施設で水痘の患者がでた場合や、家族内に出た場合には、ワクチンを緊急接種(通常72時間以内)することも有効とされています。

副反応

過敏症:接種直後から翌日に発疹、蕁麻疹、紅斑、そう痒、発熱等があらわれることがあります。
全身症状:発熱、発疹が見られることがあります。

一過性で通常、数日中に消失するとされています。
局所症状:発赤、腫脹、硬結等があらわれることがあります。

その他の留意点

若年の方以外にも帯状疱疹予防のための高齢者での検討においては、水痘ワクチンを高齢者に接種した場合、50~60代で約90%、70代で約85%に水痘・帯状疱疹ウイルスに対する細胞性免疫が上昇したとの報告があります。

各院の診療時間・アクセスは
下記よりご確認ください。