カンジダ症とは

カンジダ症の原因と感染経路

カンジダ属の真菌というカビの一種によっておこる性器の感染症を性器カンジダ症といいます。カンジダは皮膚や消化器　などの常在菌であり自己感染することが多いですが、性交渉で人から人へ感染することも知られており、産道を介しての新生児への感染もあり得ます。
その中で、腟や外陰部、亀頭、口腔などの体の表在部に感染するものと、尿路や血液など体の深部に感染する場合があります。

ここでは性器カンジダ症として外陰部カンジダ症・腟炎とカンジダ亀頭炎、他に尿道炎について説明をします。 閉経前の女性の外陰部には約20％の方にカンジダが存在すると言われており、外陰部カンジダ症・腟炎は日常頻繁にみられます。外陰部カンジダ症・腟炎は抗生剤使用後、風邪、疲労、ストレスで免疫力が低下した時、ホルモンの変化（妊娠中、ピル内服中）、下着の過度な締め付けやムレにより発症することが多いです。また特殊な例として糖尿病やHIV感染症、ステロイド剤や免疫抑制剤などで免疫力が低下した場合などに発症します。
男性は性器にカンジダがいても女性のように発症することは少なく、包茎の方や、上記のように免疫が低下した時などに亀頭炎や尿道炎として発症することがあります。
尿路感染症は男性にも女性にも認められうる疾患で、こちらも免疫力が低下した時などに尿道炎や膀胱炎、腎盂腎炎として発症することがあります。女性の場合は外陰部カンジダ症・腟炎から進展し、尿道炎を起こすことが多いとされています。特殊な例として入院中の患者さんなどでは尿道留置カテーテルが原因でカンジダ尿路感染症を起こすことがあります。しかし、尿道留置カテーテルを抜去したり抗菌薬の使用を中止したりしても尿中にカンジダを認める場合は、腎臓に膿瘍を形成していたり尿路に解剖上の問題があることもあるため一度画像検査を行うことを推奨します。

カンジダ症の症状

外陰部カンジダ症・腟炎は自覚症状として外陰部や腟の痒みや痛み、性交痛、排尿時痛があり、ヨーグルトのようなカス状の帯下（おりもの）を伴うことが多いです。しかし、全く透明な分泌物を少量のみ認める場合もあるため帯下の見た目だけで診断することは困難です。他の症状としては陰部やその周辺の皮膚が赤くなったり、腫れたりすることもあります。

亀頭炎では亀頭が赤くなったり腫れたりできものができたり分泌物がでてきたりします。自覚症状としては痒み、違和感があります。

カンジダ性尿道炎の症状は他の種類の尿道炎と類似しており、排尿時痛や透明でサラサラとした分泌物が出現することなどがあります。尿道炎から膀胱炎に進展すると頻尿、尿意切迫、血尿、排尿困難、および恥骨上部痛を起こすことがあります。さらに腎盂腎炎まで進展して発熱することがあります。

カンジダ症の検査方法と検査できる時期

確定診断には女性では腟腟分泌物や外陰部擦過検体、男性では尿や亀頭擦過検体の培養検査や鏡検検査を行います。カンジダによる膀胱炎を疑う時に、膀胱の中をカメラで観察すると固まった牛乳 のような白いカンジダ菌の塊を認めることがあります。症状に関係なく検査できますが、下記のように症状がでてから治療することが多いため、症状がでてから検査することをおすすめします。

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医師問診

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女性は腟腟分泌物や外陰部擦過検体、
男性は尿や亀頭擦過検体の培養検査や鏡検検査

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2週間後結果説明

カンジダ症の治療方法

検査でカンジダを認めただけで症状がなければ治療対象とはならないことがほとんどです。また、標準化された治療法もありません。ただし、症状が強い時、泌尿器科領域の処置の前後、免疫機能に異常がある時、妊婦さんなどでは無症状でも治療を検討する必要があるため注意が必要です。

腟炎は抗真菌薬の腟錠、内服薬、外用薬で治療します。亀頭炎は治療　抗真菌薬の外用薬、内服薬で治療します。尿路感染症は抗真菌薬の内服薬、点滴で治療します。パートナーの治療は通常不要ですが、再発例では行った方が良いケースもあります。

カンジダ症の予防方法

カンジダ症の予防には、上記に述べたようなカンジダ症の危険因子を避ける必要があります。また、局所の清潔を保ち、刺激性洗浄石鹸を使わない、通気性のよい下着の着用、症状がある時の性交渉を控えることが予防になります。これらに注意した上で、治療するべきカンジダ症についての理解を深め症状があれば医療機関を受診してください。