INDEX
1.
C型肝炎とは
2.
症状
3.
検査方法と検査ができる時期/潜伏期間
4.
治療方法
5.
予防方法
C型肝炎ウイルス(HCV)が原因です。HCVは血液を介して感染し肝臓に病気を起こします。HCVは1989年に見つかったウイルスで非常に歴史が浅く、輸血用の血液を介して感染が広がってしまったウイルスとしてよく知られています。昔は感染者の血液からつくられた血液製剤や輸血による感染、汚染された医療器具(注射器や注射針)による医療行為によるものがありましたが、現在はこれらの感染経路はほぼ無くなっています。現在の感染経路としては、不衛生な器具を使用しての入れ墨やピアスの穴あけ、注射器の回し打ち(覚醒剤など)、出血を伴う民間療法や脱毛処置があります。HCVはHBVと異なり母子感染の感染率は低いとされています。また、HCVが体液中に少ないので性交渉での感染率は低いとされていますが、性交渉を介しての感染もあるので注意が必要です。基本的には健常な皮膚からは感染しませんので、学校や会社などで通常の生活を送っている分には感染することはありません。 日本におけるC型肝炎患者数の推移は以下の通りですが(「C型肝炎報告数推移」参照)、届出義務があるのにも関わらず十分に届け出がされていないとの背景があり、実際は報告数をかなり上回る新規感染者がいると推定されています。
HCVは血液を介して感染し、2~14週間の潜伏期間を経て急性肝炎を起こすことがありますが比較的まれです。自覚症状があっても少し体がだるい、食欲がない程度で気がつかない程度で、多くは感染しても自覚症状がない、「不顕性感染」です。HCVが自然に排除される場合もありますが、60~80%の人では自然に排除されることなくHCVキャリアとなり、慢性肝炎に進行します。慢性肝炎の患者さんのうち、30~40%の方が約20年の経過で肝硬変に進行します。慢性肝炎のうちは自覚症状がなく自分で気が付くことはなく、肝硬変になって初めて自覚症状が出て気が付くことが多いです。肝硬変から肝癌を発症する確率は年率5%以上と高くなっています。慢性肝炎、肝硬変、肝癌患者の約60%がHCV感染者であり、肝癌死亡総数は年間3万人を越え、今だに増加傾向ですが、その約80%がHCV感染者です。
C型肝炎ウイルス(HCV)に感染しているかどうかを調べるには、まずHCVに対する抗体が血中にあるかどうかを調べる検査(HCV抗体検査)を行います。感染してからHCV抗体が陽性になるまで約3ヶ月かかります。この検査で陽性の場合は、過去にHCVに感染していたか、あるいは現在HCVに感染していることを示します。 もし、HCV抗体検査で陽性となった場合は、今現在HCVが血液中にいるかどうかを調べます。それがHCV-RNA検査という検査で、ウイルスの遺伝子の有無を調べ、現在もHCVが体内にいるかどうか判断します。これらの検査でHCVに感染している可能性がある場合は、専門医が肝炎の進行状況や治療方針を決める検査を行います。
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医師問診
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採血検査
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1週間後結果説明
HCVを体内から排除し肝硬変や肝癌にならないようにする治療法は 2014 年まではインターフェロン(IFN)という注射を主体とした治療法のみでした。しかも、この治療は副作用もつらく、効果もそれほど高いものではありませんでした。 現在は抗ウイルス薬の進歩により、内服薬でHCVの完全排除が可能になっています。数ヶ月間、集中して治療を行うことで95%以上の方のウイルスを消失させることが出来るようになりました。これまで難しかったHCVの根治治療は、現在では可能になっています。治療によって体内からHCVがいなくなっても、これまで悪くなってきた肝臓そのものの病気(肝硬変など)が完治したわけではありません。特に肝硬変に進行してしまった方は、肝癌発症の危険性が残っていると考え、専門医のもとで経過観察を続けることが重要です。
現在のところ、C型肝炎を予防するためのワクチンはありません。上記のように感染経路は血液のため、他人の血液になるべく触れないことが大切です。具体的には、歯ブラシ、カミソリなどを共用しない、他人の血液に触るときはゴム手袋を着ける、入れ墨やピアスをするときは、清潔な器具であることを必ず確かめる、性交渉では正しくコンドームを使用するなどがあります。
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