ポリオワクチン

概要

口から入ったポリオウイルスが腸の中で増え、便の中に排泄され、この便を介してさらに他の人に感染し、乳幼児にかかることが多いです。
ポリオに感染してもほとんどの人が症状が出ませんが、発熱、頭痛、咽頭痛、悪心・おう吐、倦怠感、頚部硬直、下肢痛などの症状がみられる場合があります。

日本では1980年からポリオは発生していませんが、海外から入ってくる可能性はあります。入ってきたとしても現在の日本では、ほとんどの人が免疫を持っているので、大きな流行になることはないと考えられますが、予防接種を受けない人が増え、免疫を持たない人が増えるとポリオの流行が起こる可能性が高まります。

流行地域

パキスタンやアフガニスタンなどの南西アジアやナイジェリアなどのアフリカ諸国に多く見られます。

製剤の特性

ポリオの予防は、全ての方がポリオウイルスに対する免疫をワクチンで獲得することです。

接種スケジュール

生後3ヵ月から接種が可能です。3〜8週間隔で3回接種し、3回目の約1年後に4回目の接種をします。
また、成人で感染がみられる地域へ行く場合に、接種経験が無い、接種回数が不完全、接種の既往がわからない方は、4〜8週間隔で2回の接種、2回目から6〜12ヵ月後に3回目の接種をしてください。

有効性

もともと生ポリオワクチンの定期接種がありましたが、日本でポリオが発生しなくなったということや、小児まひを引き起こす可能性が少しでもあるため、2012年9月1日からワクチン接種をしてもポリオにかかることのない不活化ポリオワクチンに変わりました。

副反応

まれに発熱したり接種部位が赤くなったり腫れたりすることがあります。

その他の留意点

昭和50年から52年生まれの人はポリオワクチンの効果が低かったことがわかっていますので、海外渡航と関係なく追加接種を受けるように努めていただきたいです。