
血液・肝膵腎機能・内分泌系
血液
血液学検査
検査項目 | 基準値 | 基準値 (東振協) |
この検査でわかること |
---|---|---|---|
赤血球数 | 男 400~539万/μl 女 360~489万/μl |
男 400~539 女 360~489 |
赤血球は肺で取り入れた酸素を全身に運び、不要となった二酸化炭素を回収して肺へ送る役目を担っています。赤血球の数が多すぎれば多血症、少なすぎれば貧血 が疑われます。 |
ヘモグロビン | 男 13.1~16.3g/dl 女 12.1~14.5g/dl |
男 13.1~16.6 女 12.1~14.6 |
血色素とは赤血球に含まれるヘムたんぱく質で、酸素の運搬役を果たします。減少している場合、鉄欠乏性貧血などが考えられます。 |
ヘマトクリット | 男 38.5~48.9% 女 35.5~43.9% |
男 38.5~48.9 女 35.5~43.9 |
血液全体に占める赤血球の割合をヘマトクリットといいます。数値が低ければ鉄欠乏性貧血などが疑われ、高ければ多血症、脱水などが考えられます。 |
MCV | 男 83~102.9fl 女 80~102.9fl |
男 83~102.9 女 80~102.9 |
赤血球1個の平均的容積量です。赤血球の大きさの指標となるものです。 |
MCH | 男 27.9~34.5pg 女 26.5~34.4pg |
男 27.9~34.5 女 26.5~34.4 |
赤血球1個に含まれるヘモグロビン量を平均的に表したものです。 |
MCHC | 男 31.4~35.5% 女 30.4~35.0% |
男 31.4~35.5 女 30.4~35.0 |
赤血球の一定容積に対するヘモグロビン量の比を表したものです。 |
血小板数 | 14.5~32.9万/μl | 14.5~32.9 | 血小板は、出血時に、傷口に粘着して出血を止める役割を果たしています。数値が高い場合は血小板血症、鉄欠乏性貧血などが疑わます。低い場合は再生不良性貧血などの骨髄での生産の低下、特発性血小板減少性紫斑病などの体の組織での亢進、肝硬変などの脾臓でのプーリングが考えられます。 |
血清鉄 | 男 60~210μg/dl 女 50~170μg/dl |
男 60~210 女 50~170 |
血清鉄(血液中の鉄)を測定し、鉄欠乏性貧血かどうかを診断します。 |
白血球
検査項目 | 基準値 | 基準値 (東振協) |
この検査でわかること | |
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白血球数 | 3,100~8,499μl | 3100~8499 | 白血球は細菌などから体を守る働きをしています。数値が高い場合は細菌感染症にかかっている、又は炎症・腫瘍の存在が疑われます。しかし、炎症・腫瘍がどこの部位で発生しているかはわからないため、別途検査が必要となります。また、たばこを吸っている人は高値となります。数値が低い場合は、ウイルス感染症、薬物アレルギー、再生不良性貧血などが疑われます。 | |
血液像 | 好中球 | 35~74% | 35~74 | 白血球は主に5種類に分類でき、これらの割合をみることで異常の有無を確認します。 |
桿状核球 | 0~19 | 0~19 | ||
分葉核球 | 27~72 | 27~72 | ||
好酸球 | 0~7% | 0~7 | ||
好塩基球 | 0~2% | 0~2 | ||
リンパ球 | 18~50% | 18~50 | ||
単球 | 1~8% | 1~8 |
ドクターからのアドバイス
貧血が疑われる方へ

女性の貧血のほとんどは「鉄欠乏性貧血」となります。その予防・改善には、栄養バランスの良い食事を基本に、鉄分やたんぱく質を十分に摂取することが大切です。重症の貧血ともなると、子宮筋腫など産婦人科系疾患、消化管出血なども考えられますので、一回医師の診察を受けておいた方が良いでしょう。
- 鉄分の多い食品をしっかり食べる
- インスタント・レトルト食品に食事を頼りすぎない
- 朝食を抜くなどの不規則な食生活をしない
- 無理なダイエットをしない
脂質
検査項目 | 基準値 | 基準値 (東振協) |
この検査でわかること |
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総コレステロール | 140~199mg/dl | 140~199 | コレステロールは細胞やホルモンをつくる大事な役目を果たしている脂肪の一種ですが、多くなりすぎると動脈硬化を引き起こします。総コレステロールは血液中のコレステロールの総量を表します。 |
LDLコレステロール | 60~119mg/dl | 60~119 | 悪玉コレステロールです。多くなり過ぎると、 動脈硬化を促進させます。 |
HDLコレステロール | 40mg/dl以上 | 40~119 | 善玉コレステロールと呼ばれ、余分なコレステロールを運び出す働きがあり、動脈硬化を防ぎます。 適度のアルコール摂取と有酸素運動により増加し、逆に喫煙、肥満により減少します。 |
中性脂肪 | 30~149mg/dl | 30~149 | 本来なら身体のエネルギー源となりますが、血中で多くなりすぎると、動脈硬化を進める可能性があります。太り過ぎや食べ過ぎ、アルコールの飲み過ぎ、運動不足によって高い数値が出ることがあります。 |
non-HDLコレステロール | 90~149mg/dl | 90~149 | ー |
ドクターからのアドバイス
脂質異常症が疑われる方へ

脂質異常症は、肥満、高血圧、高血糖と同じように、動脈硬化を進行させる危険因子のひとつです。まずは、食生活を改善させることが重要です。そして、適度な運動を行い適正体重を維持させること、また禁煙なども改善には欠かせません。
- 肉食を減らし、魚や大豆製品を多めにとる
- 野菜、きのこ、海藻など、食物繊維の多い食品をたくさんとる
- 体を積極的に動かすようにする
- コレステロールの多い食品(魚卵、鶏卵など)をなるべく控える
- 喫煙している方の場合、禁煙をする
糖代謝
検査項目 | 基準値 | 基準値 (東振協) |
この検査でわかること |
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空腹時血糖 | 99mg/dl以下 | 99以下 | 糖尿病の有無を調べます。血糖とは血液中のブドウ糖のことで、細胞のエネルギー源となる大切な物質ですが、一定以上の高い血糖値が長期に渡って持続するのが糖尿病であり、血管に障害を及ぼし動脈硬化を助長し、肝臓や網膜、末梢神経に障害を与えたり、心筋梗塞や脳梗塞の危険因子となったりします。血糖値は1日のうちでも変動しますが、HbA1cは過去1~2ヶ月の血糖の平均状態を調べることができます。 |
HbA1c (NGSP) |
5.5%以下 | 5.5以下 | |
尿糖 | ― | ― | 尿中に糖が混ざっていないかを調べます。糖尿病などで血糖値が高くなると大量の糖が混ざるようになります。 |
ドクターからのアドバイス
血糖値が高めの方へ

食生活に注意して、運動をする習慣をつけましょう。糖尿病の方の場合は、血糖値をコントロールすることで合併症を予防することが何より重要です。
- 適したエネルギー量の食事をとる
- 規則正しく1日3食の食事をとる
- 栄養バランスのとれた食事をする
- 適正体重を維持する
肝・膵機能
肝機能
検査項目 | 基準値 | 基準値 (東振協) |
この検査でわかること |
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総ビリルビン | 0.3~1.0mg/dl | 0.3~1.0 | 胆汁に含まれる色素です。高値だと胆石症・肝機能障害などが疑われます。 |
GOT(AST) GPT(ALT) |
30U/l以下 | 30以下 | 体の蛋白質を構成するアミノ酸をつくるのに必要な酵素で、体のあらゆるところにありますが、特に肝臓に多く含まれます。また、ASTは心臓や筋肉にも多く含まれます。従って、AST・ALTともに高いときは肝臓の障害が疑われます。 |
γ-GTP(γ-GT) | 50U/l以下 | 0~50 | 肝臓や胆道系に障害があると数値が高くなります。特にアルコールの飲み過ぎや肥満により高値を示します。 |
ALP | 36~118U/l | 104~338 | 肝臓や胆道系に障害があると数値が高くなります。また、骨や甲状腺の障害でも高値となる特徴があります。 |
コリンエステラーゼ | 男 245~495U/l 女 198~452U/l |
男 245~495 女 198~452 |
肝臓で合成される酵素で、血清アルブミンと並行して働きます。肝硬変などの肝障害時に低下します。 |
LAP | 30~78U/L(37℃) | ― | 肝臓障害などで胆汁のうっ滞が起こると、胆汁が逆流してLAPが血液中に流れ込み、血中のLAP値が著しく上昇します。 そこで、とくに肝臓・胆道系の病気を診断する指標として利用されています。 |
LDH | 120~245U/l | ― | 肝臓にも多く含まれ、筋肉・肺・血球などにもある酵素です。高値の場合、他の検査と照合し、異常を特定します。 |
ドクターからのアドバイス
肝機能障害が疑われる方へ

肝臓は自覚症状が乏しいのが特徴で「沈黙の臓器」と呼ばれています。検査数値で異常が認められたら、肝臓に負担をかけ過ぎている証拠ですので、飲酒量のコントロール、栄養バランスの取れた食習慣の見直し、休養などで肝臓を休めましょう。
- アルコールの摂り過ぎを避ける
- 栄養バランスの良い食事を適量とる
- しっかり睡眠をとる
- なるべく過労を避ける
- ストレスを貯めないようにする
蛋白
検査項目 | 基準値 | 基準値 (東振協) |
この検査でわかること |
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総蛋白 | 6.5~7.9g/dl | 6.5~7.9g/dl | 肝臓の作業能力・栄養状態のチェックができます。また、肝臓病のときに減少することがあります。 |
アルブミン | 3.9g/dl以上 | 3.9g/dL以上 | 蛋白の一種で、肝臓で合成されます。この値が低くなると肝硬変・腎臓病の可能性があります。 |
A/G比 | 1.0~2.0 | ー | 血清中のアルブミンとグロブリンの比率を示す数値です。アルブミンは主に肝臓において作られるたんぱく質です。アルブミンの値が低いことは肝臓に問題があるか、腎臓や腸管からアルブミンが漏れ出している可能性があることを示しています。 |
膵機能
検査項目 | 基準値 | 基準値 (東振協) |
この検査でわかること |
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血清アミラーゼ | 39~134U/l | 39~134 | 主に膵臓から分泌される酵素です。膵臓に異常があると値が上昇したり、極端に低くなったりします。 |
痛風
検査項目 | 基準値 | 基準値 (東振協) |
この検査でわかること |
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尿酸 | 2.1~7.0mg/dl | 2.1~7.0 | ほとんどは尿中に排泄されますが、血液中の濃度が一定以上になった場合、痛風となる事があります。 |
ドクターからのアドバイス
痛風(高尿酸血症)が疑われる方へ

尿酸値を改善する効果が運動にはありますが、急に激しい運動を行うことは逆効果です。下記のような食生活のコントロールと適度な運動で改善させることが可能です。
- プリン体の多い食品を控える
(肉汁、レバーやもつなどの内臓、いくらやたらこなどの魚卵) - アルコールは控えめにする
・ウィスキー・ブランデー:ダブル
・ビール:中瓶1本、日本酒
・1合、ワイン:グラス1杯 - 肥満を解消する
- 水分をとる
- 動物性たんぱく質をとり過ぎない
腎機能
検査項目 | 基準値 | 基準値 (東振協) |
この検査でわかること |
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クレアチニン | 男 1.00mg/dl以下 女 0.70mg/dl以下 |
男 1.00以下 女 0.70以下 |
体内で使用された蛋白質の老廃物の一種で、腎臓の機能が低下すると尿中への排泄が減少し、血液中に増加します。 |
尿素窒素(BUN) | 8.0~22.0mg/dl | 8~22 | |
eGFR | 60mg/min/1.73m2 | 60以上 | 腎臓の老廃物を尿へ排泄する能力を示します。低いほど腎臓の働きが悪いということになります。 |
ナトリウム | 135~145 | 135~145 | 血液中の電解質のバランスを調べます。血中の電解質濃度に変化が生じた場合、腎機能やホルモンのはたらきに異常が発生している可能性があります。 |
クロール | 98~108 | 98~108 | |
カリウム | 3.5~5.0 | 3.5~5.0 |
ドクターからのアドバイス
腎機能障害が疑われる方へ

慢性腎臓病(CKD)とは、腎臓の働きが慢性的に低下していくすべての腎臓病を指します。一度悪くなってしまうと、腎臓は自然に治ることはありません。CKDの予防のためには、下記のような日々の生活習慣の改善を心がけましょう。
- 食事はバランス良く、適量を食べる
- 塩分をとり過ぎない
- 適度な運動をする。ただ激しい運動は要注意
- 適正な体重を維持する
- 過労を避け、睡眠をしっかりとる
- 適正な血圧を保つ
- 禁煙をする
骨密度
超音波を利用して、骨量を測定して骨粗鬆症の可能性をスクリーニングします。
検査項目 | 基準値 | 基準値 (東振協) |
この検査でわかること |
---|---|---|---|
骨梁面積率 | ― | ― | 骨の内部には、多くの棒状の骨(骨梁(こつりょう))が縦横に連結し、強度を保っています。その面積率を表します。 |
Tスコア | ― | ― | 若年齢の平均BMD値を0として、標準偏差を1SDとして指標を規定した値をいう。骨粗鬆症診断基準に用いられる。 |
Zスコア | ― | ― | 同年齢の平均BMD値を0として、標準偏差を1SDして指標を規定した値をいう。 |
骨の生成に必要なカルシウム+リンを血液検査で測定します。
検査項目 | 基準値 | 基準値 (東振協) |
この検査でわかること |
---|---|---|---|
カルシウム(Ca) | 8.6~10.2 | ― | 骨の元になる物質です。低値が続くと骨がもろくなり、高値が続くと骨以外のところにカルシウムの沈着が起こります。 |
無機リン(P) | 2.5~4.5 | ― | 骨や筋肉をつくるミネラルです。高値が続くと関節や血管に石灰化が起こり、心筋梗塞や脳梗塞になる危険があります。 |
PTH-INTACT | 10~65 | ― | カルシウムを調節するホルモンです。カルシウムを骨から調達する作用があるため、高値が続くと骨がすかすかになってしまうといわれています。 |
尿検査
検査項目 | 基準値 | 基準値 (東振協) |
この検査でわかること |
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PH | 5.0~7.5 | 5.0~7.5 | ― |
蛋白 | (-) | (-) | 尿中に蛋白が含まれているかどうかを調べます。陽性(+)の場合 腎臓障害が疑われますが、発熱や疲労などで一時的に陽性になることもあります。 |
潜血 | (-) | (-) | 尿中に血液が含まれているかを調べます。尿中に血液が含まれていると、腎臓、尿管、膀胱、尿道などに何らかの異常がある可能性があります。 |
比重 | 1.005~1.030 | 1.005~1.030 | 尿中の成分や体内の水分量に影響を受けます。水分のとり方や発汗によっても値が変わります。尿崩症、腎機能不全などで低くなり、糖尿病、ネフローゼ症候群などで高くなります。 |
ウロビリノーゲン | (±) | ― | ビリルビン(胆汁色素)が分解されてできるものです。健康な方でも一部尿中にでますが、肝臓や、胆嚢に異常があると、尿中に多くでてきます。 |
沈渣 | 赤血球― 白血球― 上皮細胞― 硝子円柱― その他1― その他2― その他3― |
― | 尿を遠心分離して、成分を顕微鏡で調べる検査です。腎疾患や膀胱疾患について診断します。 |
便
検査項目 | 基準値 | 基準値 (東振協) |
この検査でわかること |
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1回目 2回目 |
(―) | (―) | 下部消化管出血の有無を調べます。大腸がんを診断する検査のひとつとして行われます。 |
免疫学
検査項目 | 基準値 | 基準値 (東振協) |
この検査でわかること |
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CRP | 0.30mg/dl以下 | 0.30以下 | 細菌・ウィルスに感染する、がんなどにより組織の傷害がおきる、免疫反応障害などで炎症が発生したときなどに血液中に増加する急性反応物質の1つがCRPです。細菌・ウィルス感染、炎症、がんはないかを調べます。 |
RF | 15以下 | 15以下 | RFは人のIgGと呼ばれる抗体に対する自己抗体で、関節リウマチの検査となります。 |
腫瘍マーカー
がん発生に伴い血液中に増える特殊な蛋白や酵素のことを腫瘍マーカーと呼び、がんの発見や診断の手がかりにします。がんかどうかの診断は、他の検査と併せて、総合的に診て判断します。
検査項目 | 基準値 | 基準値 (東振協) |
この検査でわかること |
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CEA | 5以下 | 5以下 | 大腸がん、胃がんなどの消化器がんを はじめ、肺がん、乳がん、甲状腺がん、卵巣がんなどで上昇します。 がん以外の疾患では、肝硬変、慢性肝炎、胃潰瘍、肺気腫などで上昇することがあります。 |
CA19-9 | 37以下 | 37以下 | 膵がん、胆嚢・胆管がんで特に上昇しますが、胃、唾液腺、気管支、 前立腺、結腸、直腸、子宮内膜のがんでも上昇します。がん以外の 疾患では、急性・慢性膵炎、慢性肝炎、肝硬変、胆管閉塞、糖尿病などで上昇することがあります。 |
AFP | 10以下 | 10以下 | 肝臓がんで高値を示します。がん以外の肝疾患などでも高値を示します。 |
CA125※女性のみ | 35以下 | 35以下 | 卵巣がんで特に上昇します。他のがんでは、肝がん、胆嚢がん、膵がん、子宮内膜がん、胃がんなどで上昇します。がん以外の疾患で は、卵巣・子宮の良性疾患、腹膜炎、胸膜炎や月経時・妊娠初期に も上昇します。 |
CYFRA(=シフラ) | 3.5以下 | 3.5以下 | 肺がん(特に扁平上皮がん)で高値を示します。 |
SCC抗原 | 1.5以下 | 1.5以下 | 扁平上皮がんで陽性率が高く、子宮がん、肺がん、皮膚がん、食道 がん、膀胱がんなどで上昇します。がん以外の疾患では、アトピー 性皮膚炎、気管支炎、結核、腎不全、人工透析患者などでも上昇することがあります |
PSA※男性のみ | 4.0ng/㎖以下 | 4以下 | 前立腺に特異的にみられる、腫瘍マーカーで、前立腺がん、前立腺肥大症で高値を示します。50歳以上の方に有効な検査です。 |
NSE | 16.3以下 | 肺小細胞がん、神経芽細胞腫、褐色細胞腫、甲状腺髄様がんなどで高値となります。病状が進行すると上昇します。肺小細胞がんで60~80%、小児の神経芽細胞腫で70~80%の陽性率を示すことがあります。 | |
DUPAN-2 | 150以下 | 膵がん関連糖蛋白抗原の一種で、消化器がん、特に膵・胆道系がん、肝がんに対して疾患特異性が高く、腫瘍径の小さい膵がんの検出にも有用です。 | |
SPan-1 | 30.0以下 | 糖鎖抗原の一種で、消化器がん、特に膵・胆道がんで高い陽性率を示します。・膵がん(80%)、胆道がん(70%)、肝がん(50~60%)、胃がん・大腸がん(10~30%)などの陽性率が報告されています。 | |
エラスターゼ1 | 300以下 | 膵臓に含まれる量が最も多く、膵がんや急性・慢性膵炎の場合に高値となります。膵がんでは陽性率が約70%といわれています。 | |
PIVKAⅡ | 39以下 | 肝がんで高値を示します。 | |
CA15-3 | 31.3以下 | 乳がんなどで上昇します。乳がんの代表的腫瘍マーカーといわれています。原発性乳がんと比較すると、転移性乳がんや進行性乳がんで高い陽性率を示します。 | |
BCA225/th> | 159.9以下 | 乳がんで高値を示します。 |
血清学検査
肝炎ウィルス検査
肝機能異常は様々な原因で起こりますが、血中などを介して感染する肝炎ウィルスの有無を調べます。
検査項目 | 基準値 | 基準値 (東振協) |
この検査でわかること |
---|---|---|---|
HBs抗体 (B型肝炎) |
(-) | (-) | 陽性(+)の場合、現在B型肝炎ウィルスを保有していることが考えられます。更に詳しい検査を行う必要があります。 |
HCV抗体 (C型肝炎) |
(-) | (-) | 陽性(+)の場合、現在C型肝炎ウィルスにかかっている可能性があることを表します。 |
梅毒反応
検査項目 | 基準値 | 基準値 (東振協) |
この検査でわかること |
---|---|---|---|
TPHA | (-) | (-) | 陽性の場合は、現在梅毒に感染しているか、または過去に梅毒に感染した可能性が疑われます。 |
RPR | (-) | (-) | ― |
HIV検査
検査項目 | 基準値 | 基準値 (東振協) |
この検査でわかること |
---|---|---|---|
HIV抗体 | (-) | ― | エイズ(後天性免疫不全症候群)の原因ウイルスであるHIVに感染しているかどうかを調べる検査です。HIVに感染すると、体内でまずHIVが増え、その後、HIVに対する抗体が産生されます。陽性になったものについては引き続き「確認検査」を実施し、確認検査で陽性であれば「HIV感染」、陰性であれは「HIV検査陰性(スクリーニング検査の偽陽性)」となります。スクリーニング検査の陽性には、HIV感染による「真の陽性」と、HIVに感染していないのにも関わらず、非特異反応により陽性となる「偽陽性」も含まれているため、確認検査は必ず行わなければなりません。 |
HIV抗原1 | (-) | ― |
麻しんウイルス抗体検査
検査項目 | 基準値 | 基準値 (東振協) |
この検査でわかること |
---|---|---|---|
麻しんウイルスIgG抗体価 | 16.0倍以上 | ― | インフルエンザの10倍の感染力があり、予防策はワクチン接種のみです。1度の接種で95%の方に抗体がつき、抗体がつけば約20年間持続するといわれています。16.0倍未満の方はワクチン接種をお勧めします。 |
麻しんウイルスIgG判定 | (+) | ― |
風しんウイルス抗体検査
検査項目 | 基準値 | 基準値 (東振協) |
この検査でわかること |
---|---|---|---|
風しんウイルスIgG抗体価 | 8.0倍以上 | ― | 1回の予防接種で約95%の方が免疫を獲得します。また、2回の予防接種を受けることにより、免疫を獲得することが より確実(約99%)となります。 抗体は約10年間持続するといわれています。8.0倍未満の方はワクチン接種をお勧めします。 |
風しんウイルスIgG判定 | (+) | ― |
コロナウイルス抗体検査
検査項目 | 基準値 | この検査でわかること |
---|---|---|
コロナウイルス抗体検査抗体価 | 0.8以上 | 新型コロナウイルスの抗体をお調べする検査になります。ワクチン接種をされた方、予定されている方、新型コロナウイルスに感染歴のある方におすすめの検査になります。結果が0.8未満の場合はワクチン接種をおすすめします。 |
コロナウイルス抗体検査判定 | (+) |
甲状腺超音波検査
主な所見·診断
超音波で甲状腺の大きさ、腫瘍病変の位置や大きさ・性状などを調べます。
確定診断のために細胞診やCT、アイソトープ検査などが必要な場合もあります。
甲状腺機能異常 | 甲状腺機能亢進 | バセドウ病 | 甲状腺機能亢進症の80%を占めます。甲状腺腫大、頻脈、眼球突出が代表的症状です。 | |
---|---|---|---|---|
無痛性甲状腺炎 | 橋本病患者や産後間もない女性に多いです。バセドウ病に似た症状で痛みはなく自然に改善することが多いです。 | |||
亜急性甲状腺炎 | ウイルス感染などがきっかけで起こる、痛みや発熱を伴う甲状腺の炎症です。30~40代の女性に多いです。 | |||
プランマー病 | 良性結節から甲状腺ホルモンの過剰分泌が起こります。バセドウ病に似た症状です。 | |||
甲状腺機能低下 | 橋本病(慢性甲状腺炎) | 自己免疫異常が原因です。橋本病患者の約30%に甲状腺機能低下がみられます。ほかの疾患との合併が多いです。 | ||
甲状腺形態異常 (甲状腺腫) |
びまん性甲状腺腫 (甲状腺全体の腫れ) |
単純性びまん性甲状腺腫 | 甲状腺の腫れのみです。治療の必要はありませんが、経過観察が必要です。 | |
バセドウ病 | 橋本病同様、自己免疫異常が原因です。男女比は約1:5といわれています。 | |||
橋本病(慢性甲状腺炎) | 慢性の炎症により甲状腺機能が低下した場合は、むくみ、皮膚症状、体重増加などがみられることが多いですが自覚症状がないこともあります。 | |||
亜急性甲状腺炎 | バセドウ病に似た症状です。痛みと腫れの位置が経時的に移動することがあります。 | |||
結節性甲状腺腫 (甲状腺全体の腫れ) |
良性 | 腺腫様結節 | 甲状腺内に結節(しこり)が1個できた状態です。 | |
腺腫様甲状腺腫 | 甲状腺内に複数個の結節がみられます。 | |||
濾胞腺腫 | 超音波検査では濾胞がんとの判別が難しい場合があります。 | |||
甲状腺嚢胞 | 多くは腺腫様甲状腺腫の一部に液体が溜まったものとされます。まれにがんに伴う場合もあります。 | |||
プランマー病 | 良性結節から甲状腺ホルモンの過剰分泌が起こったものです。機能性結節と呼ばれます。 | |||
悪性 | 乳頭がん | 甲状腺がんの約90%を占めます。濾胞細胞由来で進行は遅くおとなしいです。 | ||
甲状腺がんの約5%を占めます。濾胞細胞由来で良性の濾胞腺腫との鑑別を術前にするのは困難だといわれています。 | ||||
髄様がん | C細胞由来のがんです。髄様がんの約1/3は遺伝性です。 | |||
未分化がん | 進行がはやく、悪性度が高いといわれています。高齢者に多いです。 | |||
悪性リンパ腫 | 橋本病のごく一部に発症します。症状・経過は様々で、高齢女性に多いといわれています。 | |||
甲状腺外の所見 | 副甲状腺 |
甲状腺ホルモン
検査項目 | 基準値 | 基準値 (東振協) |
この検査でわかること |
---|---|---|---|
FT3 | 2.30~4.00 | ― | 甲状腺から分泌されているホルモンで、新陳代謝や交感神経の働きを調節しています。バセドウ病などの甲状腺機能亢進症、橋本病などの甲状腺機能低下症や、その他の病態によって異常値になります。 |
FT4 | 0.90~1.70 | ― | |
TSH | 0.500~5.000 | ― |